コンゴ民主共和国と農園について

中央アフリカに位置する「コンゴ民主共和国(首都・キンシャサ)」は、1997年に「ザイール」から現在の国名に改められました。人口は約8,400万人(2018年)で公用語はフランス語となっており、通貨は「コンゴ・フラン(FC)」です。バントゥー系が中心の数百を超す民族集団の多様性があり、特有の文化や習慣はその独自性が強く残っています。世界最貧国の1つですが、アフリカ第2位の面積(世界全体では第11位)という広大な国家です。

 

農園はキブ湖に位置するイジュイ島というアフリカ第二位の広さを誇る島にあります。島の先端はルワンダと1kmと大変近い距離でもあります。そのキブ湖はアフリカ大陸のほぼ中央にありますが、コンゴ民主共和国(DRC)では東端になります。キブ湖はルワンダ、ウガンダ、タンザニアに接しています。

コンゴという国は共和国とこの民主共和国の2つの国が隣り合っています。サプールという大変男性がお洒落なことで知られています。なぜ、同じ国名で隣り合っているのでしょうか。不思議です。DRCには港がありますが、日本とは反対の方向です。ですから、コーヒー豆はケニアのモンバサ港から日本に向かうこととなります。

これまでDRCは、地下資源の国でした。コバルトは世界の半分を供給していると言われます。他にも金、ダイヤモンドなど高価で貴重な地下資源の宝庫です。また、キブ湖周辺はキブ州と言われますが、ここは4毛作が可能とされる世界的にも大変肥沃な大地があります。「平和以外なんでもある」といわれる国がこのDRCです。このコーヒーはこのキブ州、正確には南と北があってその南キブ州のイジュイ島産です。

DRCはこれまで地下資源に偏ってきました。しかし、良質コーヒーの産地でもありました。DRC各地にコーヒー農園はありますが、ほとんどがロブスタ種栽培です。しかし、キブ州では高品質コーヒーで有名なアラビカ種を栽培しています。スペシャルティコーヒーの生産も行ってきました。

キブ州は紛争地帯です。渡航禁止です。DRCは外国資金規制対象国でもあり、その中心地キブ州の銀行への送金は大変高いハードルでした。また、農民は疲弊した農機具の使用を余儀なくされます。そんな中でもスペシャルティ豆が生産されています。

残念ながらこれまでは、収穫の大半が密売ルートによるルワンダ産出荷となっていました。外資系ルワンダ業者が農家から豆を買い取り、ルワンダに持ち帰ります。ルワンダから出荷するにはルワンダ産でないと輸出許可が出ません。そこでルワンダ産として出荷されることとなりました。

農家も密売によって収穫した豆を即現金化できるというメリットはあります。ですからそれはそれでウィンウィンだったとも言えます。しかし、国としては折角いいコーヒーを輸出してもDRC産でなければ税収ロスとなります。ですから、コーヒー復興を掲げ、是非とも日本に売りたいということでした。

この度、イジュイ島の農園から直接日本に届けられるようになりました。コンゴ産として正式に出荷されました。豆の評判は上々です。これから順調に売れて行けば、農機具の改善にも繋がります。

イジュイ島は本土と少し離れているので、「平和の島」とも言われます。平和の島でいいコーヒー生産のモデルが出来て、イジュイ島全体に、そして、キブ州にそのモデルが広がると良いと思っています。

 

DRCコーヒー「Kivu Virunga」について

味わい チョコレート、フルーティーな香りとほのかな酸味
農園 SCPNCK組合
位置

コンゴ民主共和国 東部 国立公園ビルンガ山地南方 南キブ州ギブ湖 イジュイ島(アフリカ第二位の島)  標高1500m~2,300m

品種・ランク アラビカブルボン、カティモール(Kivu3、スペシャルティ)
収穫期・方法 2月~6月 11月~1月 水洗式・天日乾燥
出荷量 105t 年間 
従事者 2,200人超
水洗工場 23か所
面積

 310㎢ (つくば市より少し大きい)